たのしい。 みなが好きだ。 やさしい。目覚めたばかりのころ、彼が彼を自覚して目覚めてからのこと。 かすんだ記憶のかなたにあるものはほんのり悲しく、いつだってあたたかい。 大事にしてくれる。 これからもそうであることを知っているから、それならいいと決めたのだ。 自分はおかしくとも、大事にしてくれた者と、彼がいるのなら、守るためにこの生を使える。 悔いのない生き方、胸を張って言える、イズルート自身がはじめて選んだ「自分自身」の生き方。 なのに、どうしてだろう。 悲しくて、嬉しい。 傷つけることが、すごくたのしい。 |